慶應義塾大学大学院経営管理研究科 Executive MBA (EMBA) コース同窓会のホームページです。

EMBA CAFE

嫌悪感・違和感が新しい価値観を生む

2026年10月5日、東京三田倶楽部において、第35回 EMBA Caféを開催いたしました。今回のゲスト講師には、演出家・プロデューサー・タレントとして長年にわたりメディア業界の第一線で活躍されてきたテリー伊藤様をお迎えし、「嫌悪感・違和感が新しい価値観を生む」をテーマにご講演いただきました。

テリー伊藤様は、「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」をはじめ、数々の人気テレビ番組の企画・演出を手掛け、日本のテレビ文化に大きな足跡を残してこられました。また、テレビ・ラジオへの出演や執筆活動、商品プロデュースなど幅広い分野で活躍される一方で、2017年には慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科(SFC)に入学し、ラジオ通信販売における消費者心理学を研究し、その後も学びへの探究を続けてこられています。さらに2025年には東京国際大学の特命教授に就任されるなど、教育・研究分野にも活躍の場を広げておられます。第一線で活躍し続けながらも学びへの挑戦を続けるその姿勢は、EMBAが大切にする「継続した学び」の精神とも重なるものです。

講演は冒頭から参加者を引き込む展開となりました。

一般的な講演会では写真や資料の撮影が制限されることが多い中、テリー伊藤様は開口一番、「写真はどんどん撮ってください。資料も撮影して構いません」と発言されました。その自由でオープンな姿勢に会場は一気に和やかな雰囲気となり、参加者もリラックスした状態で講演に引き込まれていきました。

講演の中心となったテーマは、「嫌悪感」と「違和感」でした。

テリー伊藤様は、「嫌悪感とは防衛反応であり、何に嫌悪感を抱くかは個々の経験や人生背景によって異なる」と語られました。そして、時代を大きく変えていくものの多くは、最初は人々の違和感や拒否反応を伴うものであると説明されました。

その象徴的な事例として紹介されたのが、フォークの神様と呼ばれたボブ・ディランのエピソードです。ボブ・ディランはフォーク・フェスティバルでエレキギターを演奏した際に大きなブーイングを浴びました。しかし、既存の価値観を打ち破ることを恐れずに挑戦した姿勢こそが「真のロック魂」であり、新しい時代を切り開く原動力になったのだと力強く話されました。

さらに、現在では当たり前となったワンハンドフード(片手で手軽に食べられる食品)の文化をはじめ、多くの新しい商品やサービスも、最初は世間から厳しい評価を受けたり、違和感を持たれたりしていたことを紹介されました。そして「違和感の中にこそ次の時代の種がある」というメッセージは、多くの参加者の印象に残る内容となりました。

また、言葉遣いや社会の常識も時代とともに変化していくものであり、私たちが当たり前と思っている価値観も決して不変ではないことを指摘されました。大切なのは違和感を排除することではなく、その背景にある変化の兆しを読み取ることであり、参加者はユーモアあふれる語り口に引き込まれながら、変化の本質を見抜く視点について多くの示唆を得ました。

講演終了後には懇親会が開催されました。参加者は講演を通じて得た気づきや学びを直接テリー伊藤様に伝え、それぞれの視点から活発な意見交換が行われました。テリー伊藤様は一人ひとりの話に丁寧に耳を傾けながら気さくに会話を交わされ、多くの参加者にとって、講演に続くさらなる学びと刺激を得る機会となりました。

また、写真撮影の依頼にも終始笑顔で応じられ、会場の至るところで交流の輪が広がりました。テレビで拝見する印象そのままの親しみやすい人柄に触れ、参加者が自然と笑顔になる様子が非常に印象的でした。

今回のEMBA Caféは、「嫌悪感」や「違和感」を単なる拒否反応として捉えるのではなく、新たな価値創造やイノベーションの入り口として捉える視点を学ぶ貴重な機会となりました。同時に、年齢や立場を超えて学び続けることの大切さを改めて感じる場となったのではないでしょうか。

第35回EMBA Café

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